外壁リフォーム、特に塗装工事を計画する際に、意外と見落としがちなのが「工事を行う季節」です。実は、塗装工事には適した気候条件があり、どの季節に行うかによって、仕上がりの品質や工期が左右されることがあります。一般的に、外壁塗装に最も適していると言われているのは、気候が安定している春(四月から五月)と秋(九月から十月)です。この時期は、気温が安定しており、湿度も低く、空気が乾燥しているため、塗料が乾きやすいという大きなメリットがあります。塗料は、ただ乾けば良いというものではなく、メーカーが定めた適切な時間で乾燥することによって、本来の性能を最大限に発揮します。気温が適度で天候が安定している春と秋は、この乾燥プロセスにとって理想的な環境なのです。また、晴天の日が続きやすいため、雨による工事の中断が少なく、計画通りに工期が進みやすいという利点もあります。では、夏や冬は外壁塗装に向いていないのでしょうか。まず夏場ですが、気温が三十度を超えるような猛暑日は、塗料の乾燥が早すぎることが問題となります。乾燥が早すぎると、塗膜の表面に気泡ができたり、ひび割れが起きやすくなったりと、仕上がりに不具合が生じる可能性があります。また、夕立や台風といった突然の雨に見舞われるリスクも高く、工期が遅延しやすい季節でもあります。ただし、経験豊富な職人は、乾燥を遅らせる添加剤を使用したり、作業時間を調整したりすることで、夏場でも品質を保つ工夫をします。一方、冬場は気温の低さがネックとなります。多くの塗料は、気温が五度以下、湿度が八十五パーセント以上になると、正常に乾燥・硬化しないと定められています。塗料が乾かないうちに夜露や霜が降りてしまうと、塗膜の密着性が低下し、後々の剥がれや膨れの原因となります。そのため、特に寒さの厳しい地域では、冬場の塗装工事は避けるのが一般的です。日照時間が短いことも、作業効率の低下に繋がります。これらの理由から、多くの人が春や秋に工事を希望するため、この時期は塗装業者の繁忙期となります。そのため、予約が取りにくかったり、価格交渉がしにくかったりする可能性もあります。
外壁リフォームに最適な季節はいつか