マイホームのメンテナンスを考えたとき、多くの人がまず気になるのが外壁の状態です。しかし、実は外壁と同じように、あるいはそれ以上に過酷な環境にさらされているのが「屋根」です。屋根は、直射日光や雨、風、雪などを最も直接的に受け止める部分であり、劣化も進みやすいのです。そこで、外壁リフォームを計画する際に、ぜひとも同時に検討していただきたいのが屋根のリフォームです。外壁と屋根のリフォームを同時に行うことには、非常に大きなメリットがあります。その最大の理由は「足場代の節約」です。外壁塗装や屋根工事を行う際には、職人が安全かつ効率的に作業するために、建物の周りに足場を組む必要があります。この足場代は、一般的な戸建て住宅の場合、十五万円から二十万円ほどかかり、リフォーム費用全体のかなりの部分を占めます。もし、外壁と屋根のリフォームを別々のタイミングで行うと、その都度この足場代を支払わなければなりません。しかし、同時に行えば、一度組んだ足場を両方の工事で活用できるため、足場代が一回分で済み、結果的にトータルのリフォーム費用を大幅に節約することができるのです。これは、非常に合理的で賢い選択と言えるでしょう。また、費用の面だけでなく、工事に関わる手間やストレスを軽減できるというメリットもあります。リフォーム工事中は、足場が組まれて家がシートで覆われ、日当たりが悪くなったり、窓が開けにくくなったりと、少なからず普段の生活に制約が生まれます。また、職人の出入りや作業音も気になるかもしれません。こうした期間を二度に分けるのではなく、一度でまとめて終わらせてしまうことで、精神的な負担も軽くなります。さらに、デザインの統一感を出しやすいという利点も見逃せません。外壁の色と屋根の色は、家の外観の印象を決定づける重要な組み合わせです。同時にリフォームを行うことで、カラーシミュレーションなどを通じて、両方の色のバランスを考慮しながら、トータルで調和のとれた美しい外観を実現することができます。築十年から十五年が経過すると、外壁も屋根も同じように劣化が進んでいるケースがほとんどです。外壁のひび割れや色褪せが気になり始めたら、それは屋根もメンテナンスが必要なサインかもしれません。
足場は一度で済ませたい外壁と屋根の同時リフォーム