我が家には、かつて客間として使われていた六畳の和室がありました。しかし、来客が泊まる機会もほとんどなくなり、いつしか子供のおもちゃや季節外れの家電を置くための、物置同然の部屋と化していました。畳は日に焼け、ところどころささくれ立ち、壁の聚楽壁はポロポロと砂が落ちてくる始末。この薄暗く、どこか湿っぽい部屋に入るたびに、私の心も少し沈んでしまうのでした。そんな状況を変えるきっかけとなったのが、私の在宅ワークの本格化です。ダイニングテーブルの一角で行う仕事には限界があり、集中できる自分だけの空間がどうしても必要だと感じたのです。そこで白羽の矢が立ったのが、あの日当たらない和室でした。家族に相談し、思い切ってフローリングの書斎へとリフォームすることを決意しました。業者選びは慎重に行いました。地元の工務店を三社ほど回り、それぞれの担当者と話をしました。最終的に決めたのは、私たちの漠然としたイメージを丁寧に聞き取り、具体的な完成図をパースで示してくれた会社です。床材選びは、リフォームの中で最も心躍る時間でした。たくさんのサンプルの中から、温かみのあるオークの無垢材フローリングを選びました。少し予算はオーバーしましたが、毎日素足で触れる場所だからこそ、本物の木の質感にこだわりたかったのです。工事が始まると、あっという間に畳が剥がされ、床下の構造が露わになりました。職人さんたちは、床下の湿気対策として調湿材を敷き詰め、断熱材を丁寧に入れてくれました。その後、一枚一枚丁寧にフローリング材が張られていく様子は、まるで魔法のようでした。壁も古い聚楽壁を剥がし、明るい白の珪藻土に塗り替えました。そして、押入れは中棚を撤去してデスクスペースへと改造。襖はモダンな木製の引き戸に交換しました。約一週間の工期を終え、部屋に足を踏み入れた瞬間、私は言葉を失いました。そこには、以前の薄暗い和室の面影はどこにもなく、木の香りに満ちた、明るく開放的な空間が広がっていたのです。窓から差し込む光が、オークの床を優しく照らし、白い壁が部屋全体をさらに明るく見せています。今、私はこの新しい書斎で毎日仕事をしています。木の床の感触が心地よく、集中力も以前とは比べ物になりません。
使われなくなった和室が素敵な書斎に大変身