築二十年の中古住宅を購入した際、私がどうしても手を入れたかったのが、古びた畳が敷かれた六畳の和室でした。畳の独特な香りは嫌いではありませんでしたが、家具を置くと跡がつきやすく、ダニや埃の心配もあったため、思い切ってフローリングの洋室に変えることを決意したのです。まずは複数の業者から見積もりを取りましたが、六畳一間の工事といっても、提示された価格には大きな開きがありました。単に畳を捨てて板を貼るだけだと思っていた私にとって、畳の厚みとフローリングの厚みが異なるため、床の高さを揃えるための下地調整が必要であるという説明は、目から鱗が落ちる思いでした。その下地工事だけで数万円の追加費用がかかると知り、当初は予算オーバーを心配しましたが、長く住む家だからこそ見えない部分の補強を怠ってはいけないと考え、信頼できる地元の工務店にお願いすることにしました。選んだ床材は、少し奮発してオークの無垢材です。工事期間はわずか二日間で、一日目に畳の撤去と床の下地作り、二日目にフローリングの敷き込みが行われました。職人さんの手際の良さには感心するばかりで、壁との隙間を埋める巾木の取り付けまで丁寧に行ってくれました。最終的にかかった費用は、畳の処分費や下地調整、無垢材の材料費を含めて約十六万円でした。これは相場よりも少し高めかもしれませんが、完成した部屋に足を踏み入れた瞬間の木の温もりと香りは、その金額を補って余りあるものでした。今ではその六畳間は私の書斎となり、重い本棚を置いてもびくともしませんし、何より掃除が格段に楽になりました。和室だった頃の面影は消え、明るくモダンな洋室に生まれ変わった空間で過ごす時間は、私にとって最高のリフレッシュになっています。もし予算を削って安価なシートフローリングにしていたら、この満足感は得られなかったかもしれません。自分のこだわりをどこに置くかを明確にすることの大切さを、このリフォームを通じて学ぶことができました。