壁紙張り替えリフォームにおいて、最終的な仕上がりの美しさを決定づけるのは、実は新しく貼る壁紙そのものではなく、その下にある下地の処理工程にあります。一般の方は表面に貼られたクロスの色や柄にばかり目を向けがちですが、私たちプロの施工者はまず古い壁紙を剥がした後の壁の状態を徹底的に観察します。長年貼られていた壁紙を剥がすと、下地の石膏ボードには古い糊や紙の層が残り、デコボコした状態になっています。この不規則な表面をそのままにして新しい壁紙を貼ってしまうと、時間の経過とともにシワや浮きが発生し、光の当たり方によっては下地の凹凸が浮き彫りになってしまいます。そのため、リフォームの現場ではパテを使用して隙間や段差を埋め、サンドペーパーで平滑に磨き上げるという、地道で細やかな作業が不可欠となります。特に築年数が経過している住宅では、建物の揺れによってボードにクラックが入っていたり、角が欠けていたりすることも珍しくありません。これらの問題を一つひとつ解消し、鏡のように滑らかな下地を作り上げることこそが、壁紙張り替えの神髄と言えます。また、下地の素材や状態によっては、プライマーと呼ばれる接着補強剤を使用し、新しい壁紙が将来的に剥がれてこないよう細心の注意を払います。DIYで壁紙を張り替えようとする方が最も苦労し、かつ失敗しやすいのがこの下地処理の段階であり、プロとの差が顕著に現れる部分でもあります。厚みのある壁紙を選べば多少の凹凸は隠せますが、近年のトレンドである薄手で平滑なデザインのクロスを美しく仕上げるには、この下地作りにかける手間を惜しむことはできません。リフォーム業者を選ぶ際も、単に工事価格の安さだけで判断するのではなく、下地処理についてどのような考えを持ち、どれほどの時間をかけて丁寧に行うのかを確認することが、後悔しないリフォームに繋がります。見えない部分への徹底したこだわりがあって初めて、何年経っても剥がれず、美しい質感を保ち続ける理想の壁面が完成するのです。
壁紙張り替えリフォームの成否を決めるプロの下地処理技術