私たちは日々、様々な現場でクロスの張り替えを行っていますが、二十畳のリビングという現場は、職人にとっても腕の見せ所であり、事前準備の重要性が最も問われる場所でもあります。お客様からよく「家具はどうすればいいですか」という質問をいただきますが、二十畳もの広さがある場合、家具を完全に別の部屋へ運び出すのは現実的ではないことが多いです。そのため、私たちは部屋の片側に家具を寄せ、半分ずつ作業を進めるという手法をよく用います。お客様に事前にお願いしたい準備は、家具の中身を空にしていただくことです。本棚の本や食器棚のグラス、テレビボードの中の精密機器などがそのままだと、家具の移動中に破損するリスクが高まるだけでなく、重さで床に傷がつく原因にもなります。二十畳の部屋にあるすべての家具の中身を整理するのは大変な作業ですが、これがスムーズな工事の鍵を握ります。また、カーテンや照明器具の取り外し、コンセントプレートの養生なども、私たちプロが細心の注意を払って行いますが、お客様自身で壁に飾っている絵画や時計をあらかじめ外しておいていただけると、作業の開始が格段に早くなります。クロスを剥がす際には大量の粉塵が出るため、二十畳という広範囲をしっかりと養生シートで覆う必要があります。エアコンの室外機やピアノといった動かせないものがある場合は、それらを完璧に密閉する技術が求められます。二十畳の現場では、クロスの糊付け機を置くスペースも十分に確保できるため、現場での作業効率は上がりますが、その分、壁の面積が広いため下地の凹凸が目立ちやすくなります。古いクロスを剥がした後の丁寧なパテ埋め作業こそが、仕上がりの美しさを左右するのです。お客様には、工事の数日前から断捨離を兼ねた整理整頓を楽しんでいただき、まっさらな壁に生まれ変わる準備を共に進めていただければ、職人としても最高の仕上がりでお応えすることができます。
内装職人が教える二十畳のクロス張替えにおける家具移動と準備の極意