閑静な住宅街に建つ一軒の家。築二十五年が経過したこの家の外壁は、窯業系サイディングでした。新築当時はモダンな印象だったオフホワイトの壁も、長年の風雨と紫外線にさらされ、全体的に黄ばみが目立ち、触ると白い粉が手につくチョーキング現象を起こしていました。さらに、サイディングのパネル同士の継ぎ目を埋めるシーリング材は硬化してひび割れ、一部では剥がれ落ちている箇所も見受けられました。このままでは、見た目の問題だけでなく、シーリングの隙間から雨水が侵入し、建物の内部を傷めてしまう危険性がありました。家の所有者は、この家にこれからも長く安心して住み続けるため、外壁リフォームを決意しました。いくつかのリフォーム会社に相談した結果、サイディングボード自体に大きな反りや割れといった損傷はないため、張り替えではなく塗装によるメンテナンスが最適という結論に至りました。計画の中心となったのは、下地の補修を徹底的に行うこと、そして耐久性の高い塗料を選ぶことでした。まず、工事は高圧洗浄から始まりました。長年蓄積された汚れやコケ、古い塗膜を徹底的に洗い流し、塗料がしっかりと密着する清浄な下地を作ります。次に、最も重要な工程の一つであるシーリングの打ち替え作業が行われました。古いシーリングをカッターで全て撤去し、プライマーという接着剤を塗布した後、新しく高耐久のシーリング材を充填していきます。この作業を丁寧に行うことで、外壁の防水性能が格段に向上します。下地処理が終わると、いよいよ塗装工程です。下塗り、中塗り、上塗りの三回塗りが基本です。下塗り材は、既存の壁材と新しく塗る塗料との密着性を高める重要な役割を果たします。そして中塗りと上塗りには、施主が選んだ耐候性の高いシリコン塗料が使われました。色は、以前のオフホワイトから、少し落ち着いた印象のグレージュに変更。これにより、汚れが目立ちにくく、かつ現代的で洗練された雰囲気を演出する狙いです。約三週間の工期を経て、リフォームは完了しました。足場が外され、生まれ変わった家の姿が現れると、所有者はその変化に息を呑みました。シーリングが新しくなり、ムラなく美しいグレージュに塗装された外壁は、まるで新築のようです。