私たち内装職人が六畳のフローリング現場に入るとき、まず最初に確認するのは壁の水平と床の不陸、つまり平らさです。お客様から見れば単なる四角い六畳間かもしれませんが、古い家になればなるほど、部屋の四隅が直角でなかったり、中央部分が沈み込んでいたりすることが多いのです。この不陸を無視して新しいフローリングを張ってしまうと、数ヶ月で板の繋ぎ目が開いてきたり、歩くたびにパキパキという不快な音が鳴り始めたりします。だからこそ、私たちが提示する見積もりの中に「下地補修費」という項目があるときは、どうか安易に削らないでほしいというのが本音です。特にお客様が「六畳でこの価格は高い」と感じられる場合、その多くは材料費ではなく、こうした見えない部分の手間賃に理由があります。例えば、古いカーペットを剥がした後の糊残りの処理や、根太と呼ばれる床の骨組みの補強など、丁寧な仕事をするほど時間はかかります。また、最近ではDIY用の安価な床材も普及していますが、私たちプロから見ると、あまりに薄すぎる素材は下地の凹凸を拾いやすく、綺麗に仕上げるのが非常に困難です。六畳の広さであれば、多少奮発してでも十二ミリ以上のしっかりとした厚みのあるフローリング材を選んでいただけると、職人としても自信を持って長く持つ床を張ることができます。また、工事期間中のことですが、部屋の荷物を完全に片付けていただけると、作業の精度は確実に上がります。家具を左右に動かしながら張る手間がなくなる分、私たちは床の割り付けや細部のカットに全神経を集中できるからです。リフォームの成功は、単に良い材料を選ぶことだけでなく、施主様と職人が現場の状況を共有し、互いに協力し合うことで生まれるものです。新しくなったフローリングの上を歩くお客様の満足そうな顔を見るたびに、私たちはどんなに地味な下地調整も手を抜かずにやって良かったと心から感じるのです。初期費用の相場だけを見て躊躇するのではなく、長期的な張り替えの手間と安全性を天秤にかけたとき、その真の価値が見えてくるはずです。
内装職人が語る六畳間の床工事における現場の本音